ビジネスと技術の狭間で

データを活用して生きていく

法人化しました①

年末に公開するつもりで書き始めましたが
思いのほか長くなり、1月も終わるタイミングになってしまいました。
2022年の振り返りをこれから3回に分けて公開します。

2021年の記事に書いていた通り、個人事業主から合同会社へ法人成りしました。
今回の記事では設立に際して行ったことを中心に記載します。
私はもう合同会社を設立することはないと思いますが
これから合同会社を作ろうと思っている方に
先回りしてイメージを掴むのに役立てていただければという気持ちで書いています。

今回と次回の記載内容は、
2022年のある期間において役員1名だけの合同会社を設立した際の
ルールやシステム、キャンペーンなどに基づいて記載していますので
今後は諸々変更になっている可能性があることにはご注意ください。

全体感

士業の方々の力は借りず、全て自力で手続きを行いましたが
合同会社は株式会社に比べて負担が少ないこともあり、
想像していたよりは苦労しませんでした。
デジタル庁が提供している法人設立ワンストップサービスを利用することで
基本的にはオンラインで手続きができました。
こんなに便利な仕組みを作ってくれたデジタル庁には感謝です。
ちなみに、オンラインでできなかった手続き等も郵送で対応でき、
法務局や税務署、年金事務所等に出向く必要はありませんでした。

手続きや税金に関して分からなくて悩んだ点は
国税庁等の公式な文書を読み込むか、役所等に電話して解消していきました。
当初は会計ソフトや税理士事務所のブログなどを参考にしていましたが、
条件付きでしか正しくない説明や明らかに誤った見解などの記述が気になり
公式な情報に当たるのが早道だなと思うようになりました。
ちなみに、役所等への問い合わせにはコツがあるなと感じました。
リテラシーが低い方からの問い合わせが多く、かつ、忙しいからと推測しますが
質問の意図をしっかり理解する前に
調べればすぐに分かる正常系の手続きの説明を始められることが多いです。
このステップを挟むのが面倒だったので、なるべく正常系の説明を自分で行って、
その上で自分のケースが適用できない可能性があることを指摘して
どう対応するのが正解なのか質問するようになりました。

行ったこと

設立日からの相対的な期間で記載します。
同じセクション内では分かりやすさを優先して
実際の順序から変更している箇所があります。

2か月前

 創業手帳の入手
  法人化のことを調べ始めるまで存在すら知らなかったのですが
  創業手帳は法人設立に関するフリーペーパーです。
  法人設立の前後で関わる企業の広告が多くて読むべきところは少ないのですが
  「創業前後のスケジュール」と「税金イベント一覧」が役に立ちました。
  法人設立ワンストップサービスの存在もこの雑誌を見て知りました。

 ・会社の形態の決定
  あまり悩まず合同会社とすることにしました。
  詳細については次回の記事に書きます。

 ・加入する健康保険組合の決定
  何も考えなければ協会けんぽ一択なのですが、
  条件によっては加入できる健康保険組合もあるはずなので探してみました。
  協会けんぽより保険料率が低く、業種的にも入れそうな組合もあったのですが
  事業所の社会保険加入期間や被保険者数などの条件が厳しいところばかりで
  設立してすぐに入れそうなところは見つけられず、
  素直に協会けんぽに入ることにしました。

 ・登記に利用する住所の決定
  こちらは少し悩みましたが、実家の住所で登記することにしました。
  詳細については次回の記事に書きます。

 ・法人名(商号)の決定
  法人名を決定しないと印鑑を発注できないので
  クリティカルパスであることを意識した最初のタスクでした。
  1か月ぐらい考えて、最終的にアルファベットの名前に決定しました。
  詳細については次回の記事に書きます。

4週間前~

 経営セーフティ共済の減額
  個人事業主として節税目的で加入していましたが
  2022年は個人事業主の期間が数か月間しかなく、
  大した所得にならないことに気付いて減額の手続きを行いました。
  後に判明するのですが、個人から法人に契約を承継するタイミングでは
  金額の変更ができないので、変更するなら法人化の前に行うのが正解です。

 ・印鑑の発注
  自分で印鑑を買うのは初めてだったので色々調べました。
  材質の違いや同じ材質でも買うところによって値段がピンキリで悩みましたが
  最終的に、評判が良かったハンコヤドットコムの法人設立セットに決めました。
  後述しますが評判通り良かったと思っています。

 ・登記の添付書類の作成開始
  定款含めて諸々の作成を開始しました。
  当初は、法人設立手続きをfreee会社設立で行うつもりだったので、
  こちらに情報を入力して標準的な定款を作成しました。
  ここで作成した定款をダウンロードし、細かい修正を行って完成させました。
  定款の事業目的については書き方にクセがあるので、
  同業他社や以下の様なサイトの記載を参考にして書きました。

 就業規則等の作成開始
  従業員を10人以上雇用しない場合は就業規則等の作成は必須ではないのですが
  節税の観点から社宅利用規定と出張旅費規程を作る必要があり、
  これらの規程の親となる就業規則もある方が自然なので作成することにしました。
  厚労省からモデル就業規則が公開されているので、こちらをベースにしました。
  厚労省が公開しているものなので、当然ながら
  従業員が不当な扱いを受けないことを重視して作られています。
  これ自体は悪いことではないですが、不当な扱いさえ受けなければ
  働きやすいかと言えばそうでもないだろうという印象でしたので、
  各種法律等を参照しながらゆるめる部分はゆるめて
  厳しくする部分は厳しくして完成させました。
  自分の会社がどうありたいかを考えながら
  ルールを作成するというのはなかなか面白かったです。
  従業員を雇う予定は当面ないのですけれど。

 ・賃貸物件の名義変更手続きの書類の入手
  自分が住んでいる賃貸物件を法人の社宅とすることで節税ができます。
  法人名義の契約とする旨について賃貸の管理会社に連絡して
  手続きに必要な書類を予め送ってもらいました。

 iDeCo(個人型確定拠出年金)の手続きの書類の入手
  厚生年金に入って第1号被保険者から第2号被保険者に変わると
  iDeCoの拠出限度額が変更されます。
  この変更を申請するための書類を証券会社から予め送ってもらいました。

2週間前~

 ・印影の校了
  おそらく、社名にアルファベットが入っているとデザインが難しく、
  1回目に送られてきたデザインはかなり微妙でした。
  ただ、社名の意図やどのような印象を望むかなどをお伝えしたところ
  格段に良くなり、かつ、納得いくまで修正してもらえた(計4往復)ので
  最終的にはとても満足できるものになりました。
  注文する時点ではあまり気にしていなかったのですが、
  丁寧に校正に付き合ってくれるところに発注できて良かったと思いました。

 ・備品等の売買契約書の作成
  個人事業主として使用していた備品や
  法人として使用するために先行して購入した備品等を
  法人の物とするための売買契約書を作成しました。

 ・オンラインストレージの決定
  総社員の同意書や就業規則などの存在を
  タイムスタンプ付きで証明できる仕組みが必要と考えて
  オンラインストレージを探し始めました。
  ほとんどの企業がミニマムのプランでも月数千円かかる感じで
  イメージしていた価格帯と合わないな~と思っていたところ、
  セキュアSAMBAのフリープラン(5GB)だと無料で使えるということが分かり
  こちらを使うことにしました。

 ・名刺のデザイン作成
  前回利用したデザイン名刺も特に不満はなかったのですが、
  時間の余裕があったこともあり、
  サイト上でデザインを作成できるラクスルで作ってみました。
  パワーポイントとほぼ同じ感じで操作でき、
  あまり悩むところもなく良かったです。
  ただ、プレビュー時の裁断で切り落とされる可能性がある幅がかなり太くて
  これをどう考えるべきかは悩みました。

1週間前~

 ・印鑑の受取
  デザインについては確認済でしたが、改めて実物を見て満足しました。

 ・登記の添付書類の完成
  定款等の記載を全て完成させました。

 ・登記の添付書類の電子署名付与
  法人設立ワンストップサービスで登記の申請を行う場合は
  提出する各ファイルに電子署名が必要です。
  電子署名を行う方法はいくつかあるようですが
  今回初めてで分からないことだらけだったので、情報を見つけやすかった
  マイナンバーカードとPDF署名プラグインを使う方法で行いました。
  これには有償のAdobe Acrobatが必要なのですが
  7日間のフリートライアル期間もしくは
  課金が始まって14日以内に解約すれば実質無料で利用できます。
  ちなみに、Adobe Acrobatが必要だったのはこの1日だけでした。
  さらに蛇足で、普通にAcrobatをインストールすると64bit版が入るのですが
  PDF署名プラグインが32bit版にしか対応していないという落とし穴があります。
  32bit版をインストールするためにサポートに問い合わせたり地味に苦労しました。
  今後はこの辺り改善されると良いなと思います。

 ・資本金の振込
  資本金があることの証として自分の銀行口座に振り込みました。
  発起人が複数人いる場合は入金した人の氏名が必要なので振込が必要ですが
  1人の場合は誰かは自明ですので入金でもOKだそうです。
  この振込のタイミングは登記の2週間前以降でかつ、
  定款作成日以降である必要があります。

 ・法人設立ワンストップサービスの申請情報の作成開始
  法人設立ワンストップサービスから申請するものは登記だけでなく、
  税務署や都道府県や市町村に申請するものもあり膨大です。
  申請情報入力は事前に行うことができるので、2日前から入力を開始しました。
  申請項目は一覧を上から全て見て、それぞれ「要」か「不要」か判断しました。
  微妙に内容が異なるなど紛らわしいものがあるので注意が必要です。

法人設立日

 ・会社のウェブサイトのレンタルサーバーの申し込み
  レンタルサーバーを使うのは初めてでしたが、色々検討して
  ロリポップのハイスピードプランにしようと事前に決めており、
  日付をまたいだタイミングで申し込みを行いました。
  このタイミングでドメインも取得する想定だったのですが
  ドメインずっと無料のキャンペーンを適用するためには
  法人の場合は1週間待たないといけないという縛りがあり、
  狙っていたドメインが取れるかもう1週間ドキドキすることになりました。
  こんな大事なことが書かれていなかったこと以外には
  今のところ特にストレスなく利用できています。

 ・法人設立ワンストップサービスの申請
  2日前から作成していたものを完成させて午前中に申請しました。
  おそらく、入力に合計で3時間近くかかりました。大変でした。

 ・登録免許税の電子納付
  申請するとすぐに登録免許税(6万円)の電子納付の情報が出てくるので
  資本金を入金した口座から納付しました。
  この後は登記完了の連絡が来るまで待ちかなと思っていたら
  3時間後ぐらいに法務局から不備の指摘の電話がありました。
  指摘内容は「定款の住所は市まででOKだが登記する住所は全て必要」という
  軽微なものだったので法務局側で修正してもらえました。

 ・挨拶&契約更新の手続き開始
  個人事業主として仕事をしているお客さんには
  事前に法人設立のお知らせをしていましたが
  改めて法人設立の挨拶と今後の契約を法人に切り替えてもらうお願いをしました。

 ・備品等の売買契約締結
  事前に作成していた契約書に押印しました。

 ・会社ウェブサイトの作成開始
  自分でウェブサイトを作成するのも、WordPressも初めてでしたが
  BusinessPressというちょうどよい感じのテーマを見つけてからは
  あまり苦労せずに作成を進めることができました。
  また、サイト内で利用する写真については
  商用利用可能でかつクレジット表記不要でカッコいい写真が多い
  pixabayから探しました。
  作成するのが一番大変だったコンテンツはプライバシーポリシーですが
  こちらについてはお客さんや同業他社の記載を参考にしながらまとめました。

翌日~

 ・登記の完了
  2営業日後に完了の連絡が来ました。

 ・登記事項証明書の申請
  銀行口座の開設などに必要な登記事項証明書をオンラインで申請しました。
  同時に印鑑証明書も申請したかったのですが、印鑑証明書の発行には
  印鑑カードが必要ということをこのタイミングで知りました。
  印鑑カードの申請は登記の完了を待つ必要もないので
  登記と同時に進めておくのが正解だったようです。ちょっと失敗しました。

 ・印鑑カードの申請
  慌てて印鑑カードの申請を郵送で行いました。

 就業規則等のfix
  予め作成していた就業規則等を完成させて
  オンラインストレージに置きました。

1週間後~

 ドメインの取得
  ようやく1週間経ち、無事狙っていたドメインを取得することができました。

 ・会社ウェブサイトのドメイン設定
  ロリポップドメインから取得したドメインに切り替えました。
  あまり調べずに雰囲気でやっていたら
  WordPressの管理画面に入れなくなって焦ったので
  初心者はちゃんと調べてからやった方が良いですね。

 ・メール等の設定
  Gmailで送受信できるように設定しました。

 ・名刺の発注と受取
  お客さんとの打ち合わせが決まったので
  空欄にしていたドメイン部分を完成させて発注しました。
  紙は高級紙というものを選択したのですが、
  受け取った名刺の感じはちょっとイメージと違いました。
  もし次回発注することがあれば別の紙にしようと思います。
  プレビュー時に心配していた裁断ラインのブレは全く気になりませんでした。

 ・登記事項証明書の受取
  申請してから1週間かからないぐらいで届きました。

2週間後~

 ・印鑑カードの受取
  こちらも1週間ぐらいで届きました。

 ・印鑑証明書の申請
  印鑑カードが来たので、印鑑証明書の申請をしました。
  また、登記事項証明書も最初に申請した3枚では足りないことが
  この時点で明らかになっていたので併せて申請しました。
  登記事項申請書は様々なシーンで提出を求められ、かつ、返却してもらえないので
  最初から5枚ぐらい発行してもらうのが良い気がしました。
  印鑑証明書は登記事項証明書より1,2枚少なくていい感じだと思います。

 ・銀行口座の開設の申込み
  個人事業主としての契約を法人へ切り替えるためにも銀行口座が必要です。
  銀行は大きく、ネット銀行と、オフラインがメインの銀行に分けられます。
  前者の方が審査もゆるく、口座開設までの期間が短い傾向があり、
  後者の方が審査も厳しい分、信用度が高かったり、
  後者でしかできない取引(経営セーフティ共済など)があったりします。
  銀行口座は複数持っていて悪いことはないので、
  GMOあおぞら、楽天三菱UFJの3行で開設することにしました。
  まずは、法人としての営業活動を証明する書類がなくても、
  個人事業主としての契約書で対応してもらえる
  GMOあおぞらネット銀行から開設手続きを始めました。

3週間後~

 ・賃貸物件の名義変更手続き
  登記事項証明書を入手したので名義変更の手続きを進めました。
  書類に現在の給料を記載する欄がありましたが、
  この時点ではまだ役員報酬の支払いを開始していなかったので
  役員賞与まで含めた想定の金額を備考欄に記載しました。
  また、設立間もない法人で信用はゼロに等しいと認識していたので
  連帯保証人(私個人)の信用を上げるために
  確定申告書のコピーを添付して提出しました。

 ・備品等の売買契約の履行
  個人事業主として使用していた備品等を全て法人の物とし、
  法人宛に請求書を発行して個人の口座に代金を振り込みました。
  個人事業主としては経費と相殺させるため売上として計上しました。

 SNSでの報告
  昔の上司や同僚などからコメントやメッセージをいただけて嬉しかったです。

 freee会計の契約
  個人事業主としてはマネーフォワードを利用していましたが
  一方的なプランの変更やサポート品質の低さにブチ切れた見切りをつけており
  freeeに乗り換えることに決めていました。
  年払いのプランにするので事業最終年度の翌年に費用が発生しないように、
  また、5000円のAmazonギフト券がもらえるキャンペーンが適用になるように
  設立から4週間経ったタイミングで契約しました。
  サポートはたまに怪しいことも言いますが
  基本的には手厚く対応してもらえて現時点では好印象です。

 ・銀行口座(GMOあおぞらネット銀行)の開設
  予想していたよりは時間がかかりましたが
  これでお客さんに銀行口座をお伝えすることが可能となりました。

 ・法人としての契約締結
  個人事業主として契約していた仕事を
  翌月から法人としての契約に切り替えてもらうために契約手続きを行いました。
  また、元々単価を低めで契約していたお客さんについては
  少しだけ単価を上げてもらっています。

1か月後~

 ・賃貸物件の名義変更手続きの審査通過
  無事通過しました。

 ・賃貸物件の固定資産評価額証明書の取得
  所得税で現物給与とみなされない社宅料を計算するために必要な
  固定資産評価証明書を都税事務所に発行してもらいに行きました。
  本人確認書類と自分が賃貸の貸借人であることを証明するために
  契約書を持参する必要があります。

 ・社宅料の決定
  諸々を考慮して役員として毎月1万円を社宅料として払うことにしました。
  また、この計算プロセスについて社宅利用規定に厳密には記載していなかったので
  今回の算出ケースが適合するように追記および修正を行いました。
  詳細については次回の記事に書きます。

 ・残りの銀行の開設の申込み
  法人として仕事の契約も結べたので
  楽天銀行三菱UFJ銀行の手続きを開始しました。
  GMOあおぞらネット銀行が開設できたので
  同じネット銀行である楽天銀行は不要かも?と思ったのですが
  念のため開設しておくことにしました。
  後から分かったのですが、GMOあおぞらネット銀行はPay-easyが使えず
  社会保険料の納付ができなかったので楽天銀行も開設して正解でした。

 三菱UFJ銀行のオンライン面談
  少し身構えていましたが、個人事業主からの法人成りであることや
  事業内容等について10分程度やりとりをしたら終了しました。
  正直、何をチェックされているのか全く分かりませんでした。

 ・信用調査会社のインタビューのお断り
  聞いたことのない会社から会社情報のインタビューの申込みの電話がありました。
  クライアントから依頼を受けて調査を行っているとのことで
  どちらかの銀行だろうと思いましたが、どこかは教えてもらえませんでした。
  銀行であれば、インタビューを受けないことで審査に落ちたとしても
  クリティカルではないなと考えてお断りしました。
  もし断るデメリットがあったとしても、
  開示した情報の取り扱いについての契約が何もない状態では
  リスクが高過ぎるなと感じたので受けなかった可能性が高いです。

 役員報酬と役員賞与の金額の決定
  毎月の役員報酬社会保険に加入できる程度にして
  決算月にまとめて役員賞与を支払うことにしました。
  大事なことなので、総社員の同意書を残しました。
  詳細については次回の記事に書きます。

 ・事前確定届出給与の申請
  役員報酬や役員賞与の金額を期中に自由に変更できるのであれば
  法人税を簡単に減らすことができてしまいます。これを封じるために
  事前申請されたものしか経費にできないというルールがあります。
  そのため、申請を法人設立ワンストップサービスから行いました。

 社会保険の加入手続き
  年金事務所説明でも提出時期は「事実発生から5日以内」と記載があり
  設立してすぐに対応しないといけない印象を受けますが
  設立の当月から役員報酬を支給するのでなければ
  届け出ても手続きを進めてもらえません(と明記しておいて欲しい)。
  この月から役員報酬を支給するのでようやく手続きができるようになりました。
  この手続きは法人としての加入手続き(新規適用届)と
  社員を登録する手続き(被保険者資格取得届)、
  社員の扶養家族を登録する手続き(被扶養者届)があります。
  私は扶養している家族はいないので上記2つが必要な手続きでした。
  単一のシステムで対応できると便利だったのですが
  法人設立ワンストップサービスは新規適用届しか対応していなかったので
  一旦こちらから新規適用届を申請して、
  後追いで被保険者資格取得届をe-Govから申請しました。

 社会保険の再申請
  申請の数日後に新規適用届の申請が却下されました。
  電話で問い合わせてみるとe-Govのデータ連携関連の障害が起きており、
  被保険者資格取得届が年金事務所に届いていなかったことが分かりました。
  何週間も前から起きている障害情報を周知させない運用に憤りつつも
  すぐには解決しそうにないことを理解したので、
  被保険者資格取得届のキャプチャ画像を添付して新規適用届を再申請し、
  被保険者資格取得届の原本は郵送することで対応しました。

 ・給与支払いフォーマットの作成
  特に定められたフォーマットはないので、
  所得税社会保険料の算出過程が分かる形で作成しました。

 ・扶養控除等申告書の作成
  税務署から税金周りのマニュアルや用紙一式が郵送されてくるので
  その中から扶養控除等申告書を探し出して作成します。
  一応、最初の給料を貰うまでに事業主に対して提出するルールになっています。

 iDeCoの手続き
  社会保険の加入手続きが済んでから書類を提出しましたが
  時間がかかるため、もっと早く手続きを行っていた方が良かったみたいです。
  また、後述のiDeCo+で会社が負担する分があるので
  従業員負担の金額はこれを差し引いて提出する必要がある点に注意が必要でした。
  私は会社負担分と合算して記載していたため1回差し戻されてしまいました。

 iDeCo+の事前申請
  iDeCo+の申請を行うことで、iDeCoの拠出金額の一部(最大2.2万円)を
  会社の経費として支払うことができるようになります。
  公式の資料を読む限りだいぶ面倒そうな手続きだったので
  まずは事業所番号を発行してもらうための手続きだけを行いました。
  後の手続きに必要な書類は別日に地道に作成しました。

 ・銀行口座(楽天銀行)の開設
  実家の固定電話に銀行からの留守電が何度か入っていたみたいですが
  結局、誰も出てくれないままでしたが開設してもらえました。

 ・健康保険証の受取
  再申請から2週間ぐらいで届きました。
  忙しい時期だともう少し時間がかかるかもしれません。

2か月後~

 ・任意継続していた健康保険の脱退手続き
  脱退手続きを郵送で行いました。前納していた保険料は
  加入資格を失った翌日(協会けんぽに加入した日)以降の分が払い戻されます。
  ちなみに、国民年金も前納していましたが
  こちらは特に手続きをしなくても自動的に払い戻されました。

 ・銀行口座(三菱UFJ銀行)の開設
  返送するべき書類の押印を失敗して用紙を再送してもらっていたこともあり
  時間がかかりましたが、開設できました。

 国税ダイレクト納付の登録手続き
  ダイレクト納付が可能な銀行口座が開設できたので郵送で手続きを行いました。

 個人事業主としての最後の入金
  売掛金が0円になり賃借対照表も綺麗になったので
  個人としての事業活動を完全に終了しました。

 ・事業廃止等申告書の提出(地方税
  個人事業税の対象とはなっていませんでしたが
  廃止の申告を郵送で提出しました。

 ・廃業届、青色申告取りやめの提出(国税
  こちらはe-Taxから提出できました。

 中小企業庁の共済の手続き
  小規模企業共済と経営セーフティ共済の手続きを銀行で行いました。
  小規模企業共済は引き落としの口座は変わらず、
  同一人通算の手続きを行うだけで良かったので簡単でした。
  一方の経営セーフティ共済は引き落としの口座が個人のものから
  法人のものに変わり、かつ、口座を開設した支店が異なるためかなり大変でした。
  承継前後の口座の支店が異なる場合は、中小企業庁と金融機関の両方に対して
  事前に手続きを確認しておくことをお勧めします。
  また、金融機関の窓口の方も慣れていない場合が多く、
  不正確な案内をされたことがあったので、丸腰で臨むのは避けた方が安心です。

 iDeCo+の登録通知の受取
  提出から3週間後ぐらいに受け取りました。
  予想していたより時間がかかりました。

 iDeCo+の本申請
  拠出を開始する前月の20日が締切でしたので慌てて
  予め作成しておいた書類群の事業所番号を埋めて本申請を行いました。

 ・eLTAXの利用届の申請
  PCdeskというシステムから申請を行いました。


次回は主に調べたり考えたりしたことを書きます。