ビジネスと技術の狭間で

データを活用して生きていく

独立後1年間の振り返りなど

今年の1月に独立してからの振り返りを記載しておきます。

仕事の変遷

1月~3月

独立する前から決まっていた仕事を週2で行っていました。
開業後の諸々について足場を固めるという意味で
ゆっくりスタートできて良かったと思います。
当然ですが、労働が週2だと勉強する時間も十分に確保できました。

4月~5月

3月までの仕事に加えて週3の仕事も始めました。
週3の仕事はフリーランスとして登録したところから紹介されたもので、
自分の腕試しや相場観の確認の意味合いが強かったので
切りが良いところで早期に引き上げるつもりで始めました。

3月まで週2労働だった身からすると週5への変化は負荷が大きく、
勉強する時間もなかなか確保できなくなってしまいました。

6月~12月

週3の仕事を週2に減らして、週2×2で働いています。
週3の仕事は最初の契約更新も少し悩んだのですが、最初の契約期間で
得た経験値があまりにも少なく(もう少し続ければ貯まり始めそうだった)
プロジェクトとしても切りが悪かったので更新することにしました。
ただ平日が週5で埋まると大変なことが分かったので
こちらの仕事も週2に減らしてもらいました。
また、こちらは増税のタイミングで単価も上げてもらって満足できる金額を戴けており
業務理解を深めながらチャレンジングなことをさせていただいているので
来年もしばらく継続する予定です。

1月から始めた仕事では多くの小粒の案件に携わり、
実作業としてはStanを用いた統計モデリングを中心に行ってきました。
その他、社内の業務課題をまとめるためのデータ集計および可視化、
データリテラシー向上のための社内研修や
データ解釈に関するディスカッションなどなどを行ってきました。
現場レベルでは社員の方とのギャップを感じることが多いですが
上の方からは「それなりに役に立っている」という評価をいただいたので
来年も1年間継続することになりました。

来年からしばらく

継続する2つの仕事に加えて、もう1つ週1程度の仕事を始めることになりました。
週4でも忙しいなと感じていたところでしたが、
昔お世話になった方からの依頼だったことと
自分のスキルの幅出しにもなりそうだったので引き受けることにしました。

スキル・知識面

分析実務系

業務でRを使えなかった1年強のブランクを埋めるのに
十分なリハビリができたと思っています。特に統計モデリングについては
色々な問題を扱うことで経験値が貯まったと感じています。
またPythonについてもコードレビューを通して読むのはだいぶ慣れました。
(未だに積極的に書きたいとは思わないですけれど、、)

ビジネス系

3月までは中小企業診断士試験の勉強もしていたので
経営理論や財務会計の科目の内容についてはある程度習得できました。
暗記中心の科目までやっている余裕がなく受験は見送りましたが。。

収入面

独立した当初はサラリーマン時代の半分程度になることを見込んでいましたが
想定よりも労働に時間を割いてしまったため、年収自体は昨年を超えました。
住宅手当がない分や事業所得の控除が給与所得控除に比べて少ない分などを
考えると減ですが、平均週4未満労働の生産性という観点では完全に上回っています。
独立した当初は、このような働き方で上手くやっていけるのか不安な面もありましたが
高い専門スキルを持つ人材の供給が圧倒的に不足している現状を踏まえると
私程度のスキルでも少なくとも3年ぐらいはやっていけそうな手応えを感じています。

ここからは本筋から逸れますが
単価の相場について少し思うことがあるので書いておきます。
紹介会社から月60万円程度の仕事の案内が頻繁に流れてくるのを見て
そういう水準で働いている人もいるんだなと思うと
同業者として少し心配になります。だいぶ余計なお世話ですが。
月60万円×12か月はサラリーマン水準で考えると決して安くはないのですが、
その水準の収入がいつまでも続く訳ではないということを考えると
個人事業主としてはもっと貰っておく必要があるのではないかと考えています。
一方の発注する側はコンサルやSIerのおじさんおばさんに
平気で月200万円とか払っていることもあります。
つまり上記の様な単価の案件は発注者側に有利な方へ大きく傾いており
もう少しバランスを取って然るべきものが多いのではないかと想像しています。
当然、単価はビジネスの構造やその規模に大きく依存するので
フェアな案件もあると思いますし、
そもそも紹介会社が抜いているので多少不利になることは仕方がないです。

ただ、このような仕組みを意識せずに
安すぎる単価で働いている人も多いのではないかと考えています。
特に若い人は買い叩かれやすい存在です。優秀で仕事熱心な若い人達が
若いという理由だけで買い叩かれるようなことは本来あってはなりません。
しかし実際に情報の非対称性を利用してビジネスを行っている人は多いので
自分の身は自分で守るしかありません。
仕事を請ける側ができることは、安すぎる案件を避けて機会損失を防ぐことと
引き受けた案件でクライアントに十分に価値が提供できていると思われる場合は
適切なタイミングで適正な単価に引き上げるように交渉することです。
いずれも簡単なことではないですが
独立して生きていく上で必須なスキルだと思います。

30代も中盤に差し掛かる自分としては、このような形で情報を発信することも
同業者コミュニティの健全な発展に貢献できる一つの形なのかなと信じて
長々と書いてみました。

来年もどうぞ宜しくお願い致します。