ビジネスと技術の狭間で

データを活用して生きていく

これからの生き方

早いもので1月も中旬になってしまいましたが、
昨年末で約1年半勤めた会社を退職し、独立することにしました。

退職を考え始めたきっかけは
よくある「データサイエンティストが会社に居着かない理由」みたいなブログに
包含されていますので詳しくは書きません。
他の方のブログを読む限りでは
相対的に上司や同僚には恵まれていたのではないかなと思っています。
お陰様で短い在籍期間ながらも貴重な経験を積め、
自分としても満足できる結果を残せたと思っています。
ただ、今後のキャリアを考えるとここに居続けるのは良くないなと思い
出ていくことにしました。
前職のみなさま大変お世話になりました。

独立するという決断については
働き方に関するもっと根本的なところに違和感があったことが理由で、
こちらについて書いてみようと思います。

時間の割り当て方

大前提として、人生は自分の時間の割り当てを工夫することで
現時点から先の満足度の累積値を
いかに高めるかというゲーム(問題)だと私は捉えています。
現在の技術では満足度を測定することもできないし
全ての可能性を吟味することもできないので正しい意味での最適化はできませんが、
これを意識しながら意思決定していくことに人生の醍醐味があると考えています。

労働は私を含め多くの人にとって生計を立てるために必要なものであり
人生の中でそれなりに大きなパートを占めます。
大学を卒業してから健康に活動できる時間は
約30万時間(16時間/日 × 365日/年 × 50年)しかありません。
そのうち通勤や残業まで含めた労働時間は
約9万時間(10時間/日 × 220日/年 × 40年)となります。

今回の退職に際し、この9万時間について考えてみました。

労働によって得たいもの

労働とは自身の時間をなんらか価値のあるものに変換する営みです。
私がどのような価値を求めていたのか改めて考えてみると
以下の2つにまとめられました。

・生計を立てるための収入
・自己充実感

前者については上述の通り必要なものではありますが
過剰に求めるものでもありません(そりゃ多いに越したことはないですが)。
都内1人暮らしであれば年収500万円あればそれほど不自由せず、
結婚したとしても年収800万円程で私が望む生活が実現できると見積もっています。
つまり、がむしゃらに週5日以上働き続けていると年功序列で勝手にお給料が上がって
いつの間にか年収1000万円を超えるような労働は私には過多なわけです。
ここで年収が労働に割り当てる時間に比例するものだと仮定すれば
週5日の労働を週3日にしても
少なくとも独身の間は十分に生計を立てられるように思えます。
加えて、平均的に週3日の労働で良いのであれば週2日分のバッファが生まれるので
時期によってはプライベートの時間を優先して労働を週1日にして
別の時期に週5日の労働によって帳尻合わせをするということも可能になります。
(そんなに都合よく仕事が見つかるかは別の話ですが、、)

一方で、後者については高まれば高まるほど望ましいものだと考えています。
これを高めるための要因は絡み合っていますが
大きく3つの観点が必要なのではないかと考えています。
・高度なスキルに基づいた仕事をすること
・ワクワクする仕事をすること
・キャリアの持続可能性の高まる仕事をすること
 
言うは易しでなかなか実現は難しいだろうなと感じていますが
これが実現すれば本当に素晴らしいと思います。

自己充実感の実現に向けて

「高度なスキルに基づいた仕事」をするためには当然ですが
自分自身が高度なスキルを持ち合わせていなければなりません。
スキルの向上は労働によってもなされますが
それは本来的には副次的なものであるはずなので
労働とは別にスキルの向上を図るための時間を割り当てることが必要となります。
今後も私のスキルの1つとしたいデータサイエンスは
AIブームと相俟って技術革新のスピードが速くなっていることに加え
ビジネスへの応用も益々広がっています。
正直なところ週5日の労働を続けながら
このトレンドを追い続けるのは厳しいと感じています。

加えて、高度なスキルが求められる仕事に出会い続けなければなりません。
私のこれまでの経験上、どんなプロジェクトでも
高度なスキルに基づいた意思決定が求められるシーンというのは極一部で、
ほとんどは高度なスキルがなくとも選択できるオーソドクスな方法で
ビジネス的に筋の良いアウトプットをスピード感を持って出すことが求められます。
実際に、このようなアプローチがビジネス的な価値に直結することも多く、
正しい仕事のやり方だと心から思います。
ただ、こればかりだと技術力を売りにする者としては張り合いがありません。
従って、特定のプロジェクトにコアメンバーとしてどっぷり浸かり続けるよりも
複数のプロジェクトに参画してコアメンバーの支援や育成を行う立場の方が
向いているのではと考えるようになりました。

「ワクワクする仕事」をするためには仕事の内容だけでなく
組織的・環境的な要因も必要です。
具体的には、モチベーションを高く保てるミッションや
尊敬できる上司や切磋琢磨できる同僚、ストレスの少ない社内規定や設備などです。
これらはある時点で最高な状況でも、容易に変化しうるものなので
一所に留まり続けてワクワクし続けられる可能性は高くないのではないかと考えます。

「キャリアの持続可能性の高まる仕事」とは
副次的にスキルやブランド力の向上が見込め、
次の仕事がやりやすくなる仕事のことをここでは指しています。
このような仕事をするためには、目先の報酬に捉われず
仕事の内容を見極めた上で請けるかどうかを判断できる自由と余裕が必要です。

これから

長くなりましたが、以上のようなことを考えた結果として
特定の企業に所属する生き方ではこれらを綺麗に解消させることは難しいなと思い
独立するという決断に至りました。

幸い、上記のような考えを理解してくださる方々に出会うことができましたので
当面は以下のように時間を割り当てて生きていくつもりです。
・週2日を労働
・週5日をスキルの向上(当然息抜きも必要)

新しい試みなので上手くいくかどうか不安もありますが
じっくり焦らず生き方を確立していければなと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。